気狂いに百薬の長
わたくし磯山和人は風邪で寝込んでいたが、回復しつつあった。
しかしここに持病の発作の重複が起こる。つまり双極の躁とADHDの衝動、これによって日本で最も単価のよいとされる紙の貨幣が10数枚、リボルビングという人生破壊兵器に装填され、毎月5000円消費税の弾丸をかいくぐる戦を4年続けるということになっていた。
これでは何もできないので、しのぐため、無駄な利子を払わないためにやっていこうということで磯山城本丸の我が実の父である邦夫公の御前やってきたのであった。
「お父様お母さま今まで育てていただいた恩をわすれたことは数あれど今ほど恩を身に染みて思うことはありませんでした。」
「しかし私に毎月下さる紙の貨幣、その数や2、偶数ではございませんか。私は3が好きなのです。童子の頃にはゲームでいつも年長の兄とその連れの次にプラグを刺したものでございます。3Pです。3Pでございます。」
「もうよい。小遣いの増額確かに承った。来週末に渡す茶封筒の中身を見て留飲を下ろすがよい。」
「ありがとうございます。わたくし健康増進ひいては見えざる階級闘争に必ずや勝利の晴れ姿御覧になられるよう一層奮闘努力邁進新進気鋭の無産者となりましょう。」
「もうよい。もうよい。酒を飲むがいい。」
「酒、酒ですが、切らしております。」
「ここにある」発泡酒を差し出す父。
「わたくしの般若湯にございます。日に3合までの冷から熱燗までのものにございます。」
「わたくしのデータバンクにて算出される数字があります。日に3合、や2合までとして純米酒4合瓶の平均価格が1000円、よって日の呑み賃は500円。これにつまみが200円ほど」
「休肝日などを考慮して」
「黙れ。もうよい」
そこに差し出されたのが
『福徳長 米だけのす~っと飲めてやさしいお酒 2000mlパック』
これは1000円しない。
「料理酒として使っていたものだが、これにしろ。あまり悪い酒でもないから」
「ありがとうございます。」
酒盗とは塩辛く。
今宵の肴は親の脛。噛みごたえもあるし、むくんで嵩が増すんでね。
我こそ酒盗童子。
吟醸だの辛口だの、私はいつでも純米酒。度数も14から15といったもの。
とっくりを沸かしたケトルに突っ込んで2分待てばほどよい燗がついている。
沸かす間に冷や(常温)を、一合。うまい。瓶はかさばるし、こんな酒があるなら早く知っていればよかった。
※こと清酒については純米酒ならまず悪酔いすることはない。気持よく酔える。肴はあたりめ、チータラ、いかり豆。
つまみはたんぱく質を摂るとよい。私は事前にサプリメントを飲んだが、ビタミン剤もおすすめだ。
また、適度な糖類、水分の補給も悪酔いしないコツだ。
まわってきたら水を飲むといい。うまい。たくさん飲むといい。
糖類に関しては、日本酒は甘いし、飲んだ後にドロップでもなめるのがいいと思う。
血の巡りがよくなり、思考の巡りもいい具合になってきた。
酒はきちがい水などと言われるが、きちがいがきちがい水を飲めばどう転ぶかなど仏すら知らぬところだ。私は神仏の認識外に存在する自我になりました。おめでとう。
といったところで、私は記事を書いているということなのでした。
脚色が多岐にわたりますが過去に起きた事実であり、今後起きる事実に関する表明でありました。
みなさま、よき輪廻を。