認識について

古事記しかり聖書しかり創世記は混沌に光あれと言葉でいろいろ作っていったりこおろこおろしていったりします

これは混沌から世界を生み出す話ですが、混沌から現実世界を見出したということもできます。

さて現在に立ち返って、我々が五感で感じているもの、感じていないもの、またそれらに価値を見出しているもの、無視しているもの、無価値、有害と断じているものがあります。

何が言いたい。

 

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首なしマイク

ネムーン中のおしどりをはね殺すのが唯一の趣味だったマイクは

風見鶏の向きを向かい風に固定する仕事をとうとう首になった

鳥貴族でやけ酒した勢いでとり怖し予定の廃墟に迷い込んだんだ

だんだん酔いも醒めてくると薄気味悪さに鳥肌が立って

振り向くと自分が何者か思い出せない

ちょうど自分がマイクであることを思い出して3歩進んだところだったんだ

何やら廃屋の割れた窓から断続する騒音

覗くとそこには俺を首にした人事部長の姿があった

その手に光る刃に映るものを見てマイクは言葉を失った

あれは俺の首じゃないか

 

あれからマイクは何も忘れることはなかった

鳥目に悩むこともなくなった

リストラに怯える必要もなくなった

だけどやけ酒は控えることにした

嘔吐すると自分の体にかかってしまうからね

在始若しくは私初解説マニュアル

心持つもの、深夜にはシェードから西の空より月に覗かれる男。

水分維持装置によってミイラ化を防がれた唯一の男。

両切り、炭抜き吸い口の紙巻ニコチンには近頃ホルダー属性を付与する男だ。

先の人間運搬装置麻痺の折には水結晶を踏みつけて晴れた星空に心奪われた男だ。

人生谷の冒険の半ばにはそこいらの横穴でしばし電子きびがらに身を埋める男だ。

ネクタールはお湯割りに限るうえ、変わり果てた梅の果実を突き潰す猟奇に身震いする男だ。

世界で最も普及したスナッフの鍵を鼻腔に差し込んでは開かずの扉にノックする気分の今日この頃の私だ。

ネスタネクタールの毎夜の祭祀によって祭祀を経ずともわかってしまわれた男だ。

賭博の神の守護にあっても、私欲を出せば神にも見放される男だ。

日本薄荷精製クリスタルの粉砕結晶を吸引しては救われたと神に謝辞を送る男だ。

アミノクリスタルの濫用によって食生活に彩りを添える男だ。

液糖褐色結晶と乾燥プロレタ黒人粉瘤散に熱湯を注ぐとトランス脂肪酸を去勢されたブライト艦長シーズニングに桂皮末を少々やっていく———西の月はもうお隠れになったようだ———そんな現実時間2:09現在であるところだ。

※周期的動作不良のMTTRは2週間である。

修理によって余剰した無において、わたしはアッシュトレイの奥底に眠るシンデレラ達を火皿に詰め込んで焚刑に処しては彼女らの焼ける煙の香りに現を離れるのだ。これは身を削った慈善事業、ひいては財源の削減である。この余剰財源は個人国自分の福祉事業の財源に向かうのである。

今回は眠り浅く、すべては忘れられ、残るのは心ある私の心に浮かぶ非言語的感想だけで、それは、つまりよかった。

しかし現世における行動のピラミッドになった私には、下層の経年劣化によって、私はこの冷床より動けず、通貨獲得という頂に至るには、古代エジプシャン土建による再建が急務なのであるが、雇用には対価を必要とし、同居人たるナイルに聳え立つ金字塔連中には叱責と絶望、勇気のくじきを容赦なく与えられるのだ。

仕方なしにわたしはひとり石切り場で石工をやる。持つのは、錆付き曲がったたがねとすっかり潰れた槌。

私は自由な石工である。孤独のフリーメイソンだ。

しかし、ナイルの金字塔でなければ、組合には入れないのである。

このたがねを、槌を、彼らの精巧に切り出された石灰岩に、打ち立てることは可能だ。

必要なのはただ一つ、膂力の亢進。

汝、屈強であれ。